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小児科専門:一般診療・乳児健診・予防接種 

 

インフルエンザとは

 インフルエンザとは、主に冬に流行するウイルス性の病気です。複数のウイルスが重なって流行することもあります。
1人の人が1シーズンに3種類のインフルエンザにかかることもあります。この感染力は強く、家族の中や学校、保育所、職場などで集団発生することもあります。ふだんあまりかぜなど引かないと思っている人でも安心できません。
2011年4月1日から新型インフルエンザは通常の季節性インフルエンザに変わりました。

【症状】

 熱、咳、のどの痛み、関節痛、嘔吐、下痢、頭痛などの多彩な症状があります。その程度は様々で治療をしないで1日で解熱する人もあれば、肺炎や中耳炎を合併すること、けいれんや意識障害などの症状から脳炎や脳症に至り重症になることもあります。糖尿病、腎臓病、心臓病、気管支喘息、妊娠している人は重症になりやすい傾向があります。

【診断】

 家族全員が同じ症状の場合や、学校で流行していればおそらくインフルエンザでしょう。
また鼻水を調べる検査ではおよそ10分でインフルエンザかどうかを判断できます。
この検査の信頼性は流行期かどうかでも異なり、およそ50〜95%です。
症状や診察上だけで診断することはできません。

【治療】

 熱や咳に対しては、つらい症状を抑える目的で、咳止めや解熱剤(これらを一般的な風邪薬と言っています)を使います。アセトアミノフェンは一番安全性が高い解熱剤です。アスピリン、ボルタレン、ポンタールなどはインフルエンザに使用すると重篤な副作用を生じる危険性があります。
 インフルエンザの診断が確実であれば抗ウイルス剤(タミフル、リレンザ、イナビルなど)を使うことができます。
しかし、その効果は使わない場合とくらべて治療開始後の熱の持続期間が約1日短くなる程度です。
異常行動はインフルエンザ自体に伴って発現することがわかってきました。
インフルエンザにかかった場合は抗ウイルス剤を使用するしないにかかわらず異常行動に注意が必要です。
また、年齢、発症してからの日数などによっては処方できないこともあります。

【家庭では】

 インフルエンザと診断されたら、ゆっくり休むことが一番です。食欲がなければ無理に食べないでもかまいません。
本人が一番楽に過ごしやすいようにしてください。けいれんや意識がおかしい場合には夜間でも受診して下さい。

【予防について】

 インフルエンザは飛沫感染といって咳やくしゃみなどのしぶきに含まれるウイルスで他人に感染します。
人にウイルスを飛ばさないように、しぶきを吸い込まないようにするためには、マスクの使用は大切です。
インフルエンザ流行中は職員もマスクの使用を励行していますのでご了承下さい。
 咳やくしゃみが届かない距離ではインフルエンザにはかかりません。
特に乳幼児は流行中に不必要な外出や人混みに出かけることはできるだけ避けましょう。
年末年始の帰省や初詣なども注意が必要です。
外出から帰宅した時は手に付着したウイルスを洗い流すために手を洗いましょう。うがいもしましょう。

☆インフルエンザの予防接種について

 インフルエンザの予防接種は、麻疹ワクチンなどのくらべると予防接種をしても発病してしまうことが多いようです。予防接種は重症化を防ぐ効果があります。
2022年ワクチンはA型ビクトリア株(HIN1)、A型ダーウイン株(H3N2)、B型プーケット株、B型オーストリア株の4価インフルエンザウイルスになっています。
それぞれ鶏卵内で培養して、そのウイルスを分離し、不要な部分を極力取り除き病原性を示さないように変化させたものが含まれています。製品の中には保存剤であるチメロサールなどの添加物を含んでいるものもあります。
副反応としては、接種部位の発赤、腫れ、痛みが10〜20%に起こりますが、2〜3日で消失します。
全身性の反応として、発熱、頭痛、悪寒、倦怠感などは5〜10%にみられ、2〜3日で消失します。
いずれも特に治療は必要ありません。
日本では、昭和51年から平成6年までの、主に小児に接種が行われていた頃の統計では、ワクチン接種により引き起こされたことが完全に否定できないとして、救済対象として認定された死亡事故は約2,500万接種あたり1件報告されています。
*ワクチンは鶏卵内で培養されているため、卵による強いアレルギー反応がある方は接種できません。
*体調のすぐれない人や37.5℃以上の熱のある人は接種できません。
 

インフルエンザの予防接種をお勧めする方

  • 気管支喘息など基礎疾患がある方(インフルエンザで悪化する恐れがあります)
  • 受験生など3日以上休むことが困難な方とその家族
  • 学校の教師、保育士、看護師など子どもと接触する仕事の方
  • 保育所、幼稚園、学校など集団生活をしている方
  • 新生児乳幼児が同居している家族
  • 65歳以上の方、および65歳以上の方と同居されている方
  • 出産が近い妊婦の方。

小児では生後6カ月未満の乳児には通常接種しません。

  • 6歳未満の小児対象の2015〜2016シーズン研究では発症予防に対する有効率は60%と報告されています。(厚生労働省ホームページ「令和元年度インフルエンザQ&A」Q21)

  • 1歳未満は国内調査では有効性が確証されていません。

  • 1歳以上6歳未満児のワクチン有効率は20〜30%で接種の意義は認められると見解。(平成16年10月31日小児科学会)

※なお、接種は2〜4週間隔でできますが、できるだけ3〜4週間をあけて2回目の接種を12月上旬までにすることをお勧めします。
13歳以上の方は1回接種でも効果が期待できます。
* 接種後もいつも通りの生活をしましょう。入浴は差し支えありません。